お食事茶房 金太郎さんで、お腹も心も満たしたあとに訪れたのはココ
豊後森( ぶんごもり )機関区。 この日( 10月14日 )開催されていた
機関庫まつりの会場は、JR久大線

豊後森駅の南側です
特急ゆふいんの森号も走る久大線( 旧・大湯鉄道 )の工事が始まったのは
大正3( 1914 )年4月

それから20年の歳月をかけ、
昭和9( 1934 )年
11月に全線が開通。 久大( きゅうだい )本線は、福岡の久留米と大分を結ぶ
重要な幹線・
九州横断鉄道となります。 同年同月、
豊後森機関庫も落成

機関庫を備え、久大線の中継拠点として華々しくスタートした
豊後森駅
ところが、繁栄の歴史が始まった矢先の昭和16( 1941 )年、第二次世界
大戦が勃発。 鉄道レールの供出命令で一部区間が運転休止に追い込まれ、
米軍戦闘機の攻撃では、豊後森機関区の機関士に死傷者も出たといいます
昭和20( 1945 )年8月、終戦を迎え、大雨被害からの復興も果たした
豊後森機関区・豊後森駅は
昭和29( 1954 )年、職員数2百人以上、
車両本数25両、昇降客1日5千人を超える最盛期へと突入
昭和45( 1970 )年、ディーゼル車の導入で、
蒸気機関車は廃止に。
それに伴い豊後森機関庫も役割りを終え、あとは寡黙に時代を見つめ続ける
廃墟の佇まいへと次第に変貌・・・。 しかし、保存を訴える地元有志の方々の
働きかけが叶い、平成18( 2006 )年、玖珠町が機関庫と跡地を購入
そして遂に
平成21( 2009 )年2月、旧豊後森機関区の関連遺産として
扇型機関庫と転車台が
経済産業省の近代化産業遺産に認定されました
旧豊後森機関庫は、松山ケンイチさんと瑛太さんの鉄道マニアぶりに思わず
クスッとなる森田芳光監督のコメディ映画

『
僕達急行 A列車で行こう 』
( 公式サイト :
http://boku9.jp/index.html )にも登場します


ロケの時は地元紙でも大きく報道されたんですが、観に行けず仕舞い


しかも公開された今年の春は、臼杵が舞台の映画 『
種まく旅人 』 を観て
そっちの
ロケ地めぐりに夢中になってまして、 “
ぼくきゅう
” は、
映画の紹介番組で見所をチェックしただけ...

WOWOW待ち状態です

こちらは間もなく催行される
旧豊後森機関庫案内ツアーPR活動中の
ボーイスカウトさん

個人で勝手に機関庫へ立ち入る事はできません


玖珠生まれの
口演童話家 久留島武彦氏は、ジャパン・ボーイスカウトの
基礎を築いた方でもあるそうなんです。 1924年にデンマークで開催された
ボーイスカウトの世界ジャンボリー大会では、アンデルセンの旧跡を訪ね

、
アンデルセンの復権運動にも尽力。 デンマーク国王より勲章を授かった事が
久留島武彦氏が
日本のアンデルセン
と呼ばれる所以のようです。
機関庫まつり会場では、
ミニ蒸気機関車も走ってました



童話の里の機関士さんの手元を熱心にみつめる男の子

絵本を観ている様な可愛らしい光景に思わずパチリ



整備完了で出発進行

行ってらっしゃーい



ミニ蒸気機関車は、近代化産業遺産・豊後森扇型機関庫と転車台の
間に敷かれたレールの上を周遊します。 割れ落ちたままの窓ガラスに
機銃掃射痕も生々しい遺跡の様な扇型機関庫が、小さな蝋燭の灯を
風から守る大きな掌みたいに見えるのは、まーりたんだけでしょうか


かつては本線より引き込んだSLを乗せ、建物面積1785平方メートルの
放射状の機関庫へ自由自在にさばいていたという
転車台( ターンテーブル )。
今は茶色く錆びついて、空虚さや寂寥感すら漂わせているものの、
よーく目を凝らして

心の耳を澄ましてみると

・・・ほら、見えてきそうですよ
SLの走り抜ける音や、働く機関士さん達の声と一緒に、往年の姿が

たとえば、こんなふうに



それにしても煙の匂いだけは空想世界とは思えんリアルさだわ~

もしかして、いよいよスプーンおばさんレベルに達するのか~

とりあえず覚悟はできてるけど

・・・と思えば、焦げた匂いの正体はコレでした

左の輪っかを高速回転させながら、右の耳や頭のてっぺんから煙を出して
地団駄踏んでる機械を発見


しかしまぁ何とも愛嬌あるお顔ですこと

ひょっとこトーマス君( 仮名 )の仲間は他にも大勢


機関庫の右手前スペースは、
石油発動機運転會会場になっていて
愛好家の皆さんがそれぞれ持ち寄った自慢の発動機を動かしては
幸せそうに眺め、お仲間との交流を深めていらっしゃいました。
面白そ~

昭和30年生まれ4馬力のカナミツさん

怒ってる

こちらは、ハウルの動く城を思わせる独創的スタイル


金属製のバッタ足を取り付けたら跳ねそうなほどジタバタ

してます

孤高のハウルさん( 仮名 )は、44馬力のヤンマーマリンエンジンですって


楽しむ心を持ち続けてる素敵な方々にまたしても出会えた事に感謝

会場入口ステージでは、お洒落なコスチュームの音楽隊が生演奏中


もう少し聴いてたいけど、今日は他にも訪ねたい場所があるので、
機関庫まつりの会場を後に、次の目的地へと向かいまーす



機関庫まつりは毎年10月中旬、豊後森機関区で開催されます

●参考 : 玖珠町まちづくり推進課発行( 資料提供・豊後森機関庫保存委員会 )
パンフレット 『 昭和の証人 旧豊後森機関区 扇型機関庫 転車台 』
玖珠町教育委員会発行 『 子どもたちとともに歩んだ口演童話家 久留島武彦 』
森田芳光監督作品 『 僕達急行 A列車で行こう 』
(C) 2012 「僕達急行」製作委員会※本文中の
下線付き部分は、当ブログ内関連記事へのリンクです。
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