天正13( 1585 )年9月、立花道雪さんの病没によって、豊後大友氏の筑後旧領
奪還戦は幕を下ろします。 が、それとは逆に薩摩の島津氏は勢いを増すばかり

肥後の反島津軍を討払い、龍造寺氏配下の肥後勢さらに龍造寺家も味方につけ、
あとは豊前・豊後、筑前の一部を死守する大友氏を降ろせば、九州の王者です

しかし、ここで待った

同年7月11日、四国平定中に関白へ就任した秀吉さん。

お百姓出身の秀吉さんは、人々がお腹いっぱいご飯を食べられる


平和な国づくりを夢見て、天下人を目指した方です

代行できる関白の地位を巧みに活かし、自分の一声で、争いを続ける大名らに
戦を止めさせ、従わなければ討伐できる 『 惣無事(そうぶじ)の論理 』 を提言。
天正13(1585)年10月2日、秀吉さんは 九州でドンパチ

大友氏に停戦命令=惣無事令を出します

けれど島津氏は、れっきとした軍事行動で切りとった大友の領地は おいのもんで
ごわす


これに困り果てた大友宗麟は翌年の天正14( 1586 )年3月、病の体をおして
直接、秀吉さんの大坂城へ赴き




より、大友宗麟役の松平健さんと、大鶴義丹さん演じる御用商人・仲屋宗悦。
大坂城で、千利休の取り次ぎを経て、秀吉さんに謁見中のシーンです

今回は久々に庫出しした このドラマの場面映像とともに、お話させて頂きます

片岡鶴太郎さん扮する関白秀吉さん

実際ちゃっかりした方でもあった様で、史実を読んで成程な箇所も多いです。

秀吉さんは宗麟の願いをふたつ返事で聞き容れます。 それもそのはず、四国の
次はターゲットを九州に定め、この年の1月より準備を始めていたといいますから。
そんな時、九州6か国を背負った守護が自ら降って来る事は、九州平定を半ば
終えたも同じ。 ドラマでは描かれませんが、秀吉さんは上機嫌で宗麟に城内を
案内した、と云われています


病の体で大役を終え、疲れも緊張もきっとピーク状態だったであろう大友宗麟公。
海原の先に大友の出城がある高崎山が見えたときは、ほっとした事でしょう



宗麟が大阪南港発、豊後直行便の さんふらわあ・あいぼりで帰路に就いたか、
実際のお供は豊後商人の仲屋宗悦さんだったかは、定かでありませんが・・・。
一方、宗麟が去った大坂城

次のような会話( 会議? )をなさってたみたいなんです


秀吉さん 「 南蛮かぶれの九州の坊主、すっかりやつれきって、悟りきれん僧侶の
様な顔をしていたな。 あれでは到底、島津腹には勝てまい・・・ 」
千利休 「 九州御平定の後、大友家の所領は如何様になさるおつもりですか?
豊前、豊後、筑前、筑後、肥前、肥後6か国の守護をゆるされた、九州きっての
名門でございます。 しかも、すすんで殿下の軍門へ降って参りました。
それを思えば2、3か国の安堵は・・・ 」
秀吉さん 「 豊後一国で良かろう 」

千利休 「 殿下、いま何と・・・ 」
ヒデヨシサーン・・・

こうして大友家にかろうじて安堵された豊後一国も、いずれは秀吉さんによって
没収、大友氏は改易されてしまうんですけどね・・・。 キビシイ時代です

それはさておき、宗麟と秀吉さんの間で取り決めがなされた後は、九州の
諸勢力も、秀吉さんをバックに付けた大友に付くか、独走態勢の島津に付くか
決めなくてはなりません。 島津義久さんを盟主に、反秀吉連合を結成する
豪族らもいれば、長いこと反大友派だった筑紫氏は、大友氏と晴れて和睦

そんな中、秀吉さんの惣無事令( 停戦命令 )を黙殺した島津義久さんは、
本国薩摩で3万の兵を集めると天正14( 1586 )年6月、道雪さん亡きあと、
高橋紹運さんと実子の統虎( 立花宗茂 )が守る筑前大友領進撃を忠長に命じ

反秀吉(大友)派の求めで、島津軍は大友の本拠地豊後にも照準を合わせます


天正14( 1586 )年7月、筑前目指して進軍する島津軍が、大友氏に寝返った
筑紫広門の勝尾城( 佐賀県鳥栖市河内町 )を攻撃した報せを受け、秀吉さんも
ついに島津征伐( 九州平定 )戦に乗り出します

黒田官兵衛が四千の兵率いて進発


秀吉さんも弟の秀長さんと共に大軍を従え出陣。 2隊に分かれ九州入りします。
天下人・秀吉さんの九州平定戦がスタートしたことを知ってか知らずか、
天正14(1586)年7月、島津軍は鳥栖の勝尾(かつのお)城を開城させた勢いで
次なる攻撃目標、筑前最初の砦・高橋紹運さんの岩屋城( 太宰府 )へ



反秀吉( 大友 )派も従えた島津軍は、5万近くに膨れ上がっていたといいます

いよいよ高橋紹運さんの岩屋城籠城戦が始まりますが、これについては詳細に
綴らせて頂く予定ですので、紹運さんには、まだまだお元気でいて貰いますヨ

紹運さんファンの皆様、どうぞご安心を



紹運と宋雲尼【10】【11】【12】
●参考 : 遠藤周作原作 ドラマ 『 大友宗麟物語~心の王国を求めて 』
小和田哲男著 『 黒田如水~臣下百姓の罰恐るべし 』
岩屋城[1586年]玉砕覚悟の籠城戦
※本文中の下線付き部分は、当ブログ内関連記事へのリンクです。
記事を最後までご覧下さり、ありがとうございます

- 関連記事