明治34( 1901 )年、官営八幡製鉄所で働く方々を支えるスタミナ食

考案され、戦後の食糧難の時代には人々の希望の糧となり育まれて行った
福岡は北九州、八幡生まれの和製餃子 “ 八幡( やはた )餃子 ”


餃子工房・風人さんでは、その王道とも云うべき 鉄なべ系餃子を堪能

続いては八幡餃子のルーツを求め、向かった先はJR折尾( おりお )駅



オリオンプラザ南側の折尾駅東駐車場にクルマを停め( 20分間は無料なので
ちょこっと散策に便利です



教えて頂いた本場中国系餃子店



早足で目的地へ向かう途中、思わず橋の欄干を握って暫く見とれてしまった
なんとも懐古的で趣溢れる運河の景観

そういえば


袂の看板には近代化産業遺産認定の文字も



古写真パネルには、ちょっと見、柳川下りのどんこ舟ふうの小舟が一隻。
この小舟は、“ 川ひらた ” という名前で、江戸時代から昭和初期にかけて
堀川運河を利用しての水運、米や石炭輸送に使われていた様子。
バラ積み貨物舟といったところ


解説板には、堀川運河の開通は江戸時代 宝暦12( 1762 )年との記述。
全盛期には年間13万隻もの川ひらたが、この堀川を往来していたそうです

輸送手段が鉄道へと移行する中、昭和13( 1938 )年に姿を消すものの、
176年間の長きに亘って筑豊の産業を支えた、正しく近代化産業遺産ですネ

近代化産業遺産・・・正直あんまり興味ないな~


はい、まーりたんも玖珠の豊後森機関庫は別にして、それ程に近代化産業遺産が
大好きな人ではありませんよ

~水巻町~八幡西区折尾を経て洞海湾へ注ぐこの堀川運河、開通は1762年
ですが、開削工事の開始は何と、それより141年も前の元和7( 1621 )年

大あくびしていたアナタ、下の年表を御覧になってみて下さい



度重なる遠賀川の洪水を 「 これはどうにかせんといかんばい

堀川運河開削を計画なさった方は、黒田官兵衛さんの御嫡男で初代福岡藩主
黒田長政公ですヨ

大河ドラマでは、これから信長さんへ人質に出される黒田長政公( 松寿丸

この時は円熟の52歳。 本日命日のお父さんが亡くなって16年経っています。
視察時のお供は官兵衛さんが最も信頼を寄せていた側近・栗山利安(善助)の子
当時28歳の栗山大膳利彰さん。 八幡餃子を求めて訪れた折尾駅の堀川運河
歴史年表にジュニアお二人の名を見つけた時は、全くの部外者ながら感無量



折尾高校~河守神社にかけての岸壁には、今もノミの痕が残っているそうです。

開削工事はスムーズにはいかなかったものの、地域の発展と平和を願う人々が
自分達の手で、幾多の困難にも屈せず 141年間かけて遂に切り拓いたという
背景を持つ堀川運河は、希望の具現化


この堀川を眺めるだけで勇気づけられる方が、きっと沢山いるんだろうナ


堀川運河が近代化産業遺産に認定されて本当に良かったな、と思います


目的以外に、素敵な道草も楽しめてしまった感じの八幡餃子巡礼の旅


だけど、胸はいっぱいでもお腹は減ります。
さて、本場中国系餃子のお店 “ 餃子兄弟 ” さんはどこかな~


確か、この堀川運河沿いのはずなんだけど・・・

あっ



えっ


もしかして、閉まってるぅ~

ま、こんな場合もあるでしょう・・・

餃子兄弟さん、今回はご縁がなかったみたいです

ならばコチラ




八幡西区萩原の “ 中国家庭料理 友ちゃん餃子 ”
八幡餃子のルーツとされる本場中国系餃子は、鉄なべ系餃子に対して
中国本土系餃子と呼ぶみたいです。 お腹ぺこぺこなので、とりあえず入店


友ちゃん餃子も外観然り、テーブル席が2つにカウンターと、簡素でこじんまりと
した店内です。 ちょっぴり真島茂樹さん似の店長さんは本場中国の方の様

「 いらっしゃいませ 」 流暢で落ち着いた、柔らかな声で迎えて下さいました

席に着くと、おや?ボックスティッシュの側面に何やら注意書きらしきものが



『 熱いので気を付けて下さい。 餃子の肉汁

そうか、友ちゃん餃子は優良店です

ブログ記事にも、飛び出す肉汁のことが書かれてあったっけ。 そりゃあ~た、
用心もせず出来立て熱々の点心にかじりつけば どういう事態になるかぐらい・・・
揚げたて唐揚げに勇ましくかじり付いては口の中を火傷して、何度も泣きを見た
ばかご時代を経、ばかご中年へと成長したまーりたんですよ、流石にそれは


それとも飛び出し注意報は、もしやアミューズメント化しているとか・・・


友ちゃん餃子では、本場中国系の焼き餃子と、ウチの相方の大好物でもある
中華丼をオーダーしました


中華丼の具は、白菜と青菜、人参に豚肉、それにタマゴと、至って素朴。
日本人の口に合わせて下さっているのか、味付けもあっさりめで、家庭で作る
中華丼風です。 それでも、あんのとろみといい塩加減といい絶妙で、家で普通に
中華丼を作ってもこうは巧くできないな~


気配り上手で穏やかだけど、心の中には強い信念や理想を掲げている人に
出会った感じでしょうか

食事をして、店長さんから受けた印象は、思えばこの中華丼そのものでした


続いてきました~! 八幡餃子のルーツでもある中国本土系餃子( 480円 )

和製の八幡餃子ではないので、もちろん鉄なべには載っていません。
ティッシュの注意書きを横目に、端っこから慎重に少しだけかじると
もちもちの皮が破れたあとに、旨みたっぷりの肉汁が口の中にじゅわっと

それは熱いけど、端っこから慎重に食べればぜ~んぜん大丈夫やん


慎重に一個、また一個と味わったところで、餃子もだいぶん冷めてきて
素材のうまみが活かされた八幡の餃子らしい淡白なお味に、最後は
ラー油でアクセントなぞつけ、ガブリと一個、行きましょうかね~


で、餃子の真ん中あたりをガブリとやった瞬間、なにかが勢いよく飛び出し
えっ?噴水



「 裏切らんな~ほんと・・・

大急ぎでバッグからウエットティッシュを出し、右足付け根辺りにじわり滲みていく
それを、叩くべきかゴシゴシ拭くべきか下を向いてアタフタしていたところ、
すっと目の前に美しく巻かれたおしぼりが差し出され、はっと見上げれば
そこには真島茂樹さんに少し似た店長さんの穏やかな笑顔が輝いておりました

「 大丈夫ですか? よろしければどうぞ

まーりたん、思わずビニールのテーブルクロスを掴んで泣きそうに

そして同時に、この飛び出し注意報は、友ちゃん餃子さんではアミューズメントに
近いものなのだろうと理解



帰宅後に色々と調べてみたら、友ちゃん餃子で供される中国家庭料理の味は
もちろんのこと、店長さんの誠実で温かなお人柄にハートを射抜かれた方々は
ブロガーさんを中心に数知れず。 トネリ?はたまた親衛隊? 八幡の宝石


友ちゃん餃子を守る会まで



そう、折尾駅は新駅舎に生まれ変わるんだそうです。
次回は折尾駅周辺の史跡を巡り、八幡餃子発祥の街、黒崎へと向かいます

※本文中の下線付き部分は、当ブログ内関連記事へのリンクです。
記事を最後までご覧下さり、ありがとうございます

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鉄の町、八幡の歴史も興味深いですが、「花より団子」の私にとって、八幡餃子は初めて知りましたし、大変美味しく記事を拝見させてもらいました。^^
友ちゃん餃子の、肉汁あふれる餃子は、すごくジューシーで記事を読んでておなかの虫が、グーグー騒ぎ出しました(笑)
まーりたんさんに、さりげなくおしぼりを差し出した店長さんも、なかなかグーですね^^