白亜の燈台が建つ姫島東端 柱ヶ岳鼻を後に、今度は島北側の海岸線を西へ
折り返し、暫く走っていると





背後は陽光を完全にさえぎる原生林で、淵の畔には、くずし字で歌が刻まれた
上等な石碑。 所々しか読み取れないけれど、お題は “ 拍子水 ” のモヨウ

人一人分幅の細いスロープを恐る恐る下って行くと、その先には小さな水槽が
あって、中ではシュワシュワごぼごぼ



ここは、今回3つめの姫島七不思議スポット 『 拍子水( ひょうしみず ) 』 です

時は垂仁天皇の時代。 高飛車な王子の求婚を逃れるため、独り小舟に乗って
大陸から姫島へ漂着し、そのまま姫島で島民の方々と末永く幸せに暮らしたとの
記述が日本書紀に残る 勇敢で心優しく美しいお姫様 = 比売語曽(ひめこそ)神。
姫島七不思議 拍子水は、その比売語曽の女神様が、メイクの際お水が必要で、
とりあえず手を叩いたら湧いちゃった





お姫様こと比売語曽の女神さまは、この拍子水の近くにお屋敷を建てて、日々
拍子水を飲み、拍子水の温泉に入り、そのお陰でいつまでも元気で若々しく

美しいまま年を重ねられたんだそうです

ふしぎな石と魚の島にも登場します。 どうぞ近づいて、よーくご覧下さい



シュワシュワごぼごぼ地底から絶え間なく

黄土色をした炭酸水素塩冷鉱泉で、源泉は24.9度。 冷たい温泉です

姫島七不思議・拍子水が湧く淵の傍には、源泉と、源泉に温水を加えた
41度の温泉の両方を愉しめる施設 姫島村健康管理センターも完備


椋鳩十先生が、姫島を舞台に ふしぎな石と魚の島を執筆された当時は

こんな立派な温泉施設はまだ無かったんでしょうね、主人公の少年・村岡三五と
春夫は、海岸寺の住職さんの指南で、あせもの治療のために拍子水を訪ね、
セルフでお風呂を焚く湯治場みたいな拍子水温泉で、3日間を過ごします


三五と春夫は、自分達で沸かしたお風呂に入り、その後は、道路ひとつ向こうの
海へドブン。 そして、地元のオジサンに はまぐりを焼いてもらい、島の話を聴き、
あせもが治ったのは勿論、心も蘇る様なオマケがそれは山程ついてくる訳です

では、アンチエイジングにも凄い効果がありそーな拍子水温泉へ、まーりたんも
いざ





ひょっとして、アレが比売語曽神の普遍美の秘密なのだろーか


これは何としても買えるだけ買って帰らねばっ

あっ、その前に源泉に ふやけるまで入らんと



いらっしゃいますかぁ~


て、ええ~っ

そういえば・・・

姫島港を出発して直ぐの矢筈岳西麓、姫島運動公園で体育祭、やってたなぁ...


日付も確認

さては比売語曽の女神さまに、穢れ多きわが胸の内

そうだ



で、あたふたしながらやってきた拍子水温泉裏手の比売語曽社

参道手前の由緒記には、日本書紀のお話が紹介されています



由緒記によると、お姫様は摂津の難波を経由して、姫島に辿り着いた様

聴くところでは摂津の難波 = 現在の大阪市東成区 東小橋にも、実際に
大分県 姫島と同一の女神を祀った神社 比売語曽社があるんだそうですね

記述上だけならまだしも・・・不思議です。 そのうち訪ねてみたい


かなりの年季を醸す比売語曽社の扁額・・・

鳥居を潜ると、解放された拝殿があって、比売語曽社の詳しい紹介
( プリント )を自由に持ち帰れるようになってます



拝殿の裏へまわると比売語曽社の本殿。
キュートな印象のお姫さまらしく、小ぶりでシンプルな社です

白い石の化身でもある比売語曽の女神さま、御挨拶が遅れてすみません



本殿の更に奥

その岩の裂け目に奥の宮が鎮座しています。 奥の宮は、古い石造りの本当に
小さな祠なんですが、たぶん比売語曽の女神さまの現・お屋敷だと思うので、
撮影は控えさせていただきました

白い石に現れた模様が、お姫さまの横顔に見えるんだそうですヨ

比売語曽社を訪ねられた折には、そっと御尊顔をご覧になられてみて下さい

次回は、海岸線を離れ、少し山手に入った美しい池のほとりの姫島七不思議を
ふたつほど、ご紹介したいと思います。 どうぞお楽しみに



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