ひょろりと長い茎の頂に、淡紫色をした房状の花をつけるフジバカマ( 藤袴 )

姫島の山間に自生する中国原産の帰化植物で、毎年10月に花を咲かせます。

「 優しい思い出 」「 ためらい 」「 あの日を思い出す 」。 なんとも詩的な花言葉に
惹かれ近づいてみると、ローズヒップティーに似た甘酸っぱい香りがしました

このフジバカマが咲く頃の姫島は、もうじき冬を迎える北の国から温暖な南の島へ
日本縦断



影絵のように薄い羽根で海原を渡るんですよ、この方は


針の手足と可愛い水玉ボデェの一体何処にそんなパワー

それとももしやフジバカマの蜜に、製鉄マンを支えた八幡餃子に勝るスタミナが

空へ向かって真っ直ぐ、しなやかに伸びる逆柳を後に、県道・稲積姫島港線を
更に西へ


となり


囲まれたフジバカマ畑。 逞しきアサギマダラ御一行様の休息地でございます


フジバカマ畑の上すれすれを浮遊している

乱舞するアサギマダラです。 3 匹程なら、どうにか判別して頂けるでしょうか

調査の為、蝶の羽根に印をつけることをマーキングと云うのですが、
( 一般の方が勝手に蝶を捕まえてマーキングをすることは厳禁です

このマーキングをして姫島から飛び立ったアサギマダラが、1200キロ先の
北海道上ノ 国町で、道南虫の会の方々によって確認されてるんだそうです


また、フジバカマ畑に設置されていた案内板には、雄雌の見分け方も


羽根の下半分に大きな黒い班が一つ有るのがオス、無いのがメス。
あっ、このコは男の子ですネ




ときに、こうして蝶を眺める度に浮かんでくる言葉があるんです。
『 幸せは蝶の様なものである 』
19世紀アメリカの小説家 ナサニエル・ホーソーン氏の名言なんですけど、
それを知ったのは最近で、ずっと前に雑誌か何かでこの言葉を目にして、
あまりの鮮烈さに



ナサニエル・ホーソーンさん曰く、捕まえようとすればするほど逃げて行くのが
幸せだから、幸せになりたいのなら、それとは逆のスタンスで いなさいという事。
だけど、幸せが蝶だとするならそれは生き物であり、生き物なら寿命があります。
肩にとまってくれていた蝶も、プラスチックではないから何時までも同じ状態では
居てくれないし、或る日突然 折りからの風に乗り 飛び立ってしまうかもしれない。
その時に自分はどうすればいいのか。 ここからが肝心な気がするんです。

幸せ、つまり蝶にとって居心地の良いフジバカマ畑を、自分の中にも造ってみる。
そうすれば、やがてそこに世代交代した蝶や、以前と姿形は違っても、また
必ず蝶がやってきます。 それに気づくこと、同じ様に迎え入れる事ができれば、
幸せはいつでも傍にいてくれるし、無くなりません。 それどころか増えていく


開発や護岸工事で生育できる場所が年々減少し、絶滅危惧種になりかけという
フジバカマの畑で、過酷な旅の疲れを癒し、安心しきって美味しそうに蜜を吸う
アサギマダラにカメラを向けていたら、アレコレ物思う中年になっておりましタ

アサギマダラを休ませて元気にする姫島の花は、フジバカマだけではありません。
毎年5月には、10月とは逆ルートで、南から涼しい北国へ向かうアサギマダラが
姫島で休息を取ります。 その際、幸せさん御一行様を迎え入れる姫島の宿泊
保養施設は、北側海岸のスナビキ荘。 あ、違った



こちら

姫島村企画振興課発行のパンフレット・おおいた姫島ジオパーク構想より拝借

そういえば、明日から5月です

スナビキ荘、今頃は団体様の受け入れ準備に大忙しの頃でしょうかネ

つらつらと綴っていたら長くなりましたので、6つ目の姫島七不思議は
次回とさせて頂きます

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